風の庫

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英雄

 文藝春秋・発行の「Number 1018 藤井聡太と将棋の冒険」をほぼ読み了える。
 入手は、今月5日の記事で報せた。

 話題になった、同誌の「藤井聡太と将棋の天才」の感想へ、リンクを貼ってある。



 藤井2冠の、飛車を切っての攻めなど、読みの正確さは、渡辺名人も驚いている。藤井2冠への評価は、賛嘆か負け惜しみである。
 「地獄で見た光」4ページでは、藤井聡太8段が、奨励会3段リーグで負けた5局の内、2局を取り上げている。対戦相手二人の内、一人はプロ棋士となり、一人は奨励会を退会した。
 「羽生善治 さらなるフロンティアを目指して。」では、将棋界の性格を変えた永世7冠が、「強くなりたい、深く知りたい」と答えつつ、引退時期をそれとなく聞かれると、「気楽に将棋を見て、…絶対に楽ですよ。」と、笑い続ける。知のスポーツとして、将棋を変えた英雄である。
 大山康晴、豊島将之、永瀬拓哉、渡辺明(対談)、斎藤慎太郎、森内俊之(「私の最盛期はこれからです。」と豪語する)、増田康宏、中井広恵、屋敷伸之、松尾歩、木村一基、谷川浩司らを取り上げて、将棋ブームを謳歌している。
(僕はこの記事を、棋聖戦第2局(渡辺名人に対して、藤井棋聖の2連勝)の感想戦を、タブレットのAbemaで傍らに観ながら、書き始めた)。

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写真ACより、「建築」のアイコン1枚。


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 角川書店「増補 現代俳句大系」第15巻(1981年・刊)より、3番めの句集、角川源義「西行の日」を読み了える。
 先の7月26日の記事、松崎鉄之介「鉄線」に次ぐ。
 同・大系に所収の句集として、2016年11月17日の記事、第11巻の第1句集「ロダンの首」に次ぐ。
概要
 原著は、1975年、牧羊社・刊。594句、長めの「あとがき」を付す。
 没後の第5句集で、遺句集と見られがちだが、その後の数10句が遺り、優れているとされる(大系・解説より)。
 娘・真理の17歳での自死や、自身の結核病の入院を経て、句は巧みになったと評される。ただし結核病は抗生物質の薬により治りやすくなり、3ヶ月余で退院した。
感想

 言うまでもなく、戦後に角川源義(かどかわ・げんよし、1917年~1975年)は角川書店を興し、1代で大企業に育てた、英雄である。しかし英雄らしく、社内で、家庭で厳しかったらしい。また漁色家でもあった(Wikipediaより)。約しく暮らしている僕には、マイナス点に思える。
 修羅の生涯で、句作は心の休まる場だったかも知れない。
引用
 入院中の作品ばかりより、5句を引く。
瑠璃やなぎ咲く家出でていつ帰る
日々に見る朝焼ゆやけ波郷の地
露草にかくれ煙草のうまきかな
将棋弟子句弟子をふやし秋ざくら
病者痩せ野良猫ふとり冬日享く

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写真ACより、「キッチン・グッズ」のイラスト1枚。





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