風の庫

読んだ本、買った本、トピックスを紹介します。純文学系読書・中心です。

Kindle本の第1歌集「雉子の来る庭」をKDPしました。右サイドバーのアソシエイト・バナーよりか、AmazonのKindleストアで「柴田哲夫 雉子の来る庭」で検索して、購入画面へ行けます。Kindle価格:250円か、Kindle Unlimitedで、お買い求めくださるよう、お願いします。

貴重

 同人詩誌「角」代表の金田久璋さんが、詩集「理非知ラズ」を贈ってくださった。
理非知ラズ
金田 久璋
思潮社
2020-12-07

 金田久璋さんは、小野十三郎賞・他、受賞。また民俗学者としてもご活躍である。
 「理非知ラズ」は2020年11月、思潮社・刊。4章、41編を収める。副題のBeyond Rights and Wrongsは、ニーチェの「善悪の彼岸」に当たる。

小林一茶集
 Amazonのマーケットプレイスより、日本古典全書「小林一茶集」を買った。価格は送料・込み:678円だった。
 今読み続けている岩波文庫「七番日記」の校注社・丸山一彦が、解説で俳文の「おらが春」をとても賞めているので、読みたくなったのである。句集、俳文集、書簡集などより抄出して、貴重な1冊である。


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 岩波文庫の一茶「七番日記」(上)より、4回めの紹介をする。
 同(3)は、今月13日の記事にアップした。



 今回は、文化9年正月~6月の半年分、219ページ~280ページの62ページである。ただし6月の中に、文化10年10月分11月分が、記されている。紙の貴重な時代、余白を借りたものらしい。
 狂歌の流行のせいか、庶民生活的、俗語の多用、滑稽味の強調、などがある。
 現代俳句に至る流れとは、1筋違っているだろう。

 以下に5句を引く。
(寄)るは年さはさりながら梅の花
鉢の松是
(これ)も因果の一つ哉
(菜)の花のとつぱづれ也ふじの山
いざい
(往)なん江戸は涼みもむつかしき
ちりめんの狙
(さる)を抱く子よ丸雪(あられ)ちる
松の盆栽
写真ACより、「松の盆栽」のイラスト1枚。


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 Kindle版「室生犀星作品集」より、童話とエッセイを読む。
 怪談とエッセイ2編をを読んだ前回は、先の5月17日の記事にアップした。



 童話は「不思議な魚」と題する。漁師の息子が、ガラス箱の中の小さな人魚を二つ買い、海に戻らせる。ある鰯漁で、漁師と息子は、人魚のおかげで大漁を得る。
 地蔵や動物の恩返しものだが、人魚、漁師の点が新しい。初出「キング」1926年11月号、底本の親本「室生犀星童話全集 第3」1978年・刊。

 エッセイは、「交友録」と題する、短い作品である。朔太郎や白秋、他との交友を述べる。
 いずれ出版社に頼まれて、困ったあげくに書いたものだろう。しかし後の「我が愛する詩人の伝記」に繋がるとすれば、貴重である。底本の親本「室生犀星全集 第7巻」新潮社、1964年・刊。
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写真ACより、「アジアンフード&ドリンク」のイラスト1枚。



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 福井県俳句作家協会・編の「年刊句集 福井県 第58集」より、7回めの紹介をする。
 同(6)は、今月26日の記事にアップした。



 今回は、敦賀地区(敦賀市、美浜町)、若狭東地区(三方郡、三方上中郡)、若狭西地区(小浜市、おおい町、高浜町)に渉る、187ページ~215ページの27ページ(途中、扉あり)、51名の510句を読んだことになる。
 今回で、「年刊句集 福井県 第58集」のアンソロジー部の、仕舞いである。今、記事を捲ってみると、ちょうど400名の4,000句を読んだことになる。福井県において、歌壇、詩壇より、遥かに人数が多いので、俳壇の隆盛を願う。

 コンサート、家事など、老いても忙しい様、過疎をそれとなく示す句など、現代を余すなく示して、貴重な郷土のアンソロジーである。
 以下に5句を引く。
征爾振るタクトの動き雲の峰(Y・一枝)
山峡の崩れ草屋根桐の花(N・一雄)
朝寒し忙しき一日始まりぬ(T・恭子)
柿を売る戸板一枚小商い(T・周山)
磯漁の魚分け合ひ浜うらら(H・稔)

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写真ACより、「アジアンフード&ドリンク」のイラスト1枚。



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 福井県俳句作家協会「年刊句集 福井県 第57集」より、4回目の紹介をする。
 同・(3)は、先の4月24日の記事にアップした。
概要
 1年に1集ずつ発行されて来たとすると、創刊は1962年になる。俳人協会から伝統俳句協会が分離した年である。危機感を持つ県内の俳人が多かったのか、現代俳句協会を含めて、3派が合同して県組織を創立し、年刊句集を発行し、現在に至るようだ。
感想
 今回は、坂井地区(坂井市、あわら市)の13ページ(108ページ~120ページ)の26名、260句を読んだ事になる。
 同・(3)の41ページ、810句に比べて、かなり少ない。人口数の違いであり、文化への関心度の違いではないと信じたい。
 「世情は変わっても自然は変わらない」という考え方があったが、自然開発が進み、災害・異常気象が進むと、「自然は変わっても人情は変わらない」とも考え得る。
 年刊句集の句が、多く有季定型であり、季節の詩として俳句は貴重である。
引用

 以下に5句を引く。
初旅や三か所の子に餅配る(A・昭三)
人影も見えぬ野面の極暑かな(S・潤子)
日捲りも薄くなりけり涼新た(W・千加江)
スマホで見る天気予報や稲刈り日(T・政三)
着崩れし踊り浴衣や水を飲む(I・房枝)
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写真ACより、「キッチン・グッズ」のイラスト1枚。



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 今月1日に、僕がExcelで作成した「方言集 -福井市とその近辺ー 決定版Ⅵ」を紹介する。
 前の
「同・Ⅴ-Ⅰ」は、昨年9月3日の記事にアップした。
 2004年11月に初版だが、それ以前に10年くらい掛けて方言を収集している。
 第Ⅱ版、第Ⅲ版と進み、決定版と銘打ったが、それ以後も収集は進み、決定版Ⅴまで進んだものの、それ以上は書けなくて、Ⅴ-Ⅰ版とした。
 ブログにアップする事で、前へ進める気がして、決定版 Ⅵを称する事が出来た。
 上の写真の明るいのは、多機能プリンタのスキャン機能で取り込んだからである。

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 表紙を含めA4判9枚の、「と~は」辺りの1部である。
 左端欄が方言、右へ3欄が一般語である。
 今回は、「やだぼう(嫌がらせする人)」、「んだった((~して)くださった)」、「げら(よく笑う人)」、「へごたれ(不出来なもの)」、「んでっての((~して)行ってください)」、「んでの((~して)くださいね)」の、6語を追加した。
 手帳からExcelに挿入する時、すでに書いてあるかと思ったが、6語とも新収集だった。
 計算上、417語となる。
 プリントをホッチキスで留めただけの冊子だが、僕が聞いたり言ったりした方言だけを集めたものとして、意義があると思っている。
 最近は、生まれた時からテレビのあった世代が多く、方言を使った者も、僕たち世代をしまいに少なくなるようなので、記録は貴重だとも思っている。

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