風の庫

読んだ本、買った本、トピックスを紹介します。純文学系読書・中心です。

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過去号

 結社歌誌「コスモス」内の若手歌人による、季刊同人歌誌「COCOON」Issue19を、ほぼ読み了える。
 同・Issue18の感想は、昨年12月30日の記事にアップした。


 リンクより、過去号の感想へ遡り得る。

 同・Issue19の到着は、先の3月20日の記事、届いた3冊を紹介する(11)にアップした。


COCOON Issue19

 気になった歌を引いてみる。
目薬をさすとき海鳥はばたけりこころから言葉とほのきにけり(K・智栄子)
 こころから言葉が遠のいては、文学を目指すものの表現が成り立たない。安倍長期政権の、虚言、詭弁が残した傷は広く、表現を志す者を苦しめている。
臍の下に光ためつつシャワー浴ぶ明日を語れば鯰
(なまづ)が笑ふ(M・左右)
 来年の事ではなく、明日を語ってさえ鯰が笑うほど、良い明日、幸せな未来を想定し得ない、不幸な時代だ。




 
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 所属する結社の歌誌「覇王樹」2020年12月号が、11月26日に届いた。
 先の11月号の感想は、今月3日の記事にアップした。


 リンクより、過去号の感想へ遡れるので、ご覧ください。


「覇王樹」12月号
 12月号は、A5判、36ページ。2020年12月1日・刊。定価:千円。
 通常立ての他、力詠15首1編が久しぶりに復活した。また追悼・清水典子氏として、代表の佐田公子さん、顧問のH俊明さんが、1ページずつ追悼文を寄せている。

 なお僕の「苦笑う僕」6首・他は、アメブロ「新サスケと短歌と詩」の、11月28日・以降の記事に分載するので、横書きながらご覧ください。





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 総合歌誌「歌壇」(本阿弥書店)2020年8月号を、ほぼ読み了える。
 入手は、今月16日の記事にアップした。
 また同・7月号の感想は、6月22日の記事にアップした。リンクより、過去号の感想へ遡り得る。



歌壇 8月号

 特集は「河野裕子没後十年 -その歌の源泉」である。河野裕子の作品集を読んだ記憶があり、その後も「たとへば君」など、永田家の共著で、作品を読んで来た。全歌集が出版されたなら、図書館で借りてでも読みたい。
 創作家は、作品しか残らない。大西民子も、斎藤史も、(もちろん茂吉も白秋も、上田三四二、宮柊二、ほか多くの)全歌集を読んだ。
 連載「平成に逝きし歌びとたち 斎藤史」など取り上げられると、懐かしい思いが湧く。

 以下に2首を引き、寸感を付す。
 K・尚子の「えびね蘭」7首より。
三歳の甲高き声に何か言う解らぬババはバイバイされぬ
 3歳の児の新語だったのだろうか。バイバイするのは、せめてもの優しさだろう。
 T・澄子さんの「総咲きの密」7首より。
簡潔に生きゐる夫は大方の家事仕舞ひ了へ寝息はやたつ
 賢い夫である。凡愚の我らは、いつまでもぐずぐずしている。


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 季刊同人歌誌「COCOON」Issue12を、ほぼ読み了える。
 到着は6月18日の記事、1冊と2誌が届く、で報せた。
 同・Issue11の感想は、先の4月3日の記事にアップした。リンクより、過去号の記事へ遡れる。
概要
 2019年6月15日・刊。ほぼA5判、87ページ。短歌作品欄は、1ページ1段、6首組み。
 結社「コスモス短歌会」の若手歌人(1965年以降・生まれ)を同人とする。代表:O・達知さん。
感想
 ソ連型社会主義崩壊後の資本主義は、労働者の生活や生命を顧みない、低賃金、使い捨て、殺人(過労死)さえ犯すものになった。単身赴任という、家庭を引き裂く使役が出た頃から、怪しいと僕は思っていた。僕は危うく立場的に、年齢的に逃れ得た。
 M・芙季さんの投げ遣りな心情、K・玲音さんの「だれよりも悲惨でいたい」と破綻的な心情が見られる。
引用

 O・淳子さんの「さみしくはないはずなのに」12首より。
降りだした雨にまじりて血の匂う懸命に生きることに疲れた
 懸命に頑張れば、利用されるだけで、成功に結び付かない、現状を知らされる。
 O・達知さんの「強気」12首より。
生きてゆくこころぐるしさ減らそうとあっち見ながらゴミ出しをせり
 「苦しさ」を感じるのは、比較する「楽さ」を知っている、比較的に年嵩の勤労者に多いようだ。
 
 このような時代に、短歌同人等の仲間、家庭に寄り合うなどして、生きるしかないのだろう。



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果実 80号a
 今月7日の記事「1冊と1紙が届く」で紹介した内、同人詩誌「果実」80号を読み了える。
 リンクより、過去号の感想へ77号まで、遡り得る。
概要
 リンクに少し概要を書いたので、ご参照ください。
 発行年月、発行所を忘れていたので、ここに書く。2019年4月、「果実の会」刊。
 県内の教員、教員経験者6名と、都内在住のO・雅彦さんを同人とする。
感想
 作者は複数の作品を寄せているが、作者ごとに作品を列するのではなく、作品ごとに順を考えて、編集されている。新しい試みである。
 巻頭は、歌人・山川登美子と潜水艦艇長・佐久間勉がほぼ同年代で、二人の出会いを仮想する、N・昌弘さんの「登美子と勉」、ドキッとする作品である。

 次いでT・篤朗さんの「つつましい言葉」以下、静かな作品が並ぶ。K・不二夫さんの「星の絆」辺りから、心理的に重いテーマの作品が並ぶ。
 O・雅彦さんのカリグラム詩(行頭の高さを変えた)「いつかの風の物語」などを経て、F・則行さんの「大往生」が、友人3人の家庭での突然死(苦しむことなく、周りにも迷惑を掛けず)を、自分と比べたあと、W・本爾さんの清澄な母恋「記憶」「ごしょねがい」(注:後生願い)で、詩編を仕舞っている。
 随筆編では、F・則行さんの「子どもの詩の読み方」が、「アンソロジー 子どものための少年詩集 2018」での、編集委員会が選んだ優秀作品と、小中学生が「好きな作品」として挙げたトップ作品の食い違いについて考察し、重いテーマである。
引用

 T・篤朗さんの詩「待つ」5連より、第3連を引用する。

どんな瞳が私を見つめてくるか
どんな言葉が私に返ってくるか
私はさりげなさを装って
何気なさを装って
もしもし
やっと声をかける
一瞬という長い時間を待つ



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